睡眠を削るとヤバイ 眠れない状態が続くと人間はどうなるのか

睡眠不足になると、飲酒した状態と一緒になることは、以前説明しました。

詳しくは、「睡眠不足は飲酒状態と一緒 睡眠不足のサインを見逃すな」参照。

睡眠不足の危険性は、お分かりいただけたと思います。では、人間は眠らないと、どうなってしまうのでしょうか?

眠るのはもったいない!眠らなければ、人生の時間が増えて、やりたい事がたくさんできる!と思う方もいるかもしれません。

しかし、絶対に睡眠時間を削るのは、やめたほうがよいです。

結論を先に述べると、「睡眠がとれないと、生命の危険がある」からです。

今回は、「睡眠」と「生命」について説明していきます。

有名な断眠の世界記録

断眠の連続記録として有名なのが、1964年、アメリカのサンディエゴの高校生ランディ・ガードナーさんの記録です。

17歳のランディさんは、自由研究のテーマに「断眠が人体に与える影響」を選びました。

その結果、断眠自体は、11日間(264時間)の記録を残しました11日間の断眠の後、14時間40分ほど眠ったそうです。

幸い、ランディさんに後遺症は残りませんでした。しかし、中には断眠により脳に障害をもたらした例もあるようです。

現在は、その危険さから、世界記録とされているランディさん以降、断眠の記録は、認めないとされているようです。

間違っても、世界記録を作ってみたいからと「断眠」を選ばないで下さい。11日を超えても、世界記録としては認められないからです。

断眠による人体への影響

断眠自体は11日(264時間)でしたが、実際、人体への影響はどのようなものがあったのでしょうか?

ランディさんの研究は、スタンフォード大学のウィリアム・デメント博士の立ち合いのもと行われました。

下記が研究の時の状態になります。11日間の間、カフェインなどはとらなかったそうです。

1日目:いつもと変わらず。

2日目:目の焦点が定まらなくなる。(テレビが見れないレベル)

3日目:気分が変わりやすくなる。吐き気がする。

4日目:集中力が欠如し、幻覚がみえるようになる。(道路標識が人間に見える等)

5日目:断続的に空想にふけるようになる。

6日目:物を立体的に見る力が落ちてくる。

7日目:明らかに呂律が回らなくなる。

8日目:発音が不明瞭になっていく。

9日目:思考が断片的。文章が最後まで話すことができない。

10日目:記憶や言語に関する能力が低下していく。

11日目:10日目と同様の状態。

症状を見て分かるように、2日目から、すでに睡眠不足の影響が出ています。10代という若さでも、この状態です。

この結果から分かるように、徹夜という行為は、身体に害しかありません。

致死性家族性不眠症

「眠れない男」として有名になったのは、マイケル・コークさんです。

コークさんは、「眠れない」ことで、42歳という若さで亡くなられました。

40歳の時に不眠症を発症。症状が徐々に悪化。睡眠薬や鎮静剤も全く効かないという状態になりました。

全く眠れない状態が8週間続いた時、精神の崩壊が始まりました。

認知力の低下だけでなく、運動能力も低下。歩くことさえ困難になりました。

半年経過すると寝たきり状態になりました。そして、数か月後、42歳という若さで、この世を去りました。

死因は「致死性家族性不眠症」という病名で、遺伝性で治療法は確立していません。また、症状を緩和する方法も見つかっていません。

この病気と診断された方は、10か月以内に亡くなられるそうです。

寝るのはもったいないと睡眠時間を削る人がいます。しかし、眠ることは、とても大切なことなのです。

眠れないことで、人間は死んでしまうのです。

まとめ

睡眠不足は百害あって一利なしです。

眠れないことで、人間の認知機能・記憶力・運動能力は低下していきます。

また、健康にも害を及ぼすだけでなく、最悪のケースでは死んでしまうこともあるのです。

断眠を続けることで、脳に障害を負うケースもあります。

寝るのがもったいないと考える方は、今すぐ考えを改めたほうがよいと思いませんか?

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