AIの発展で理学療法士の職域の予想

AI(人工知能)が、人間の仕事を奪う!という意見もあれば、そんな事はない!という意見もあります。

理学療法士という仕事は、どうでしょうか?以前、AIとの共存は可能という意見を書きました。詳しくは、本ブログの「理学療法士は将来的にどうなるのか?」を、ご覧下さい。

私は、AIの専門家でもありません。また、AIと理学療法士に特化した本も、今のところ見たことがありません。AIに関する本を読んだ上で、あくまで仮説を書いていきます。仮説の1つとして、気楽に読んで頂ければと思います。

最悪の事態を想定しましょう

AIが、どこまで人間の領域に踏み込んでくるかは分かりません。しかし、機械学習技術(ディープラーニング)ができるようになってから、AIは目覚ましい進歩を遂げています。

最近では、ベテラン医師と同等の診断ができるようになってきたという報道を耳にした事がある方も多いのではないでしょうか?また、手術でも、場合によっては、人間よりも早く、正確にできる部分もあるようです。

医師の領域ですら、分野によっては、脅かされそうになっています。理学療法士も、そのような状態になる可能性も考慮に入れておいても良いのではないかと思います。

統合と解釈をAIがする?

AIは、過去に蓄積された膨大なデータから、病気などを判断すると言われています。これは、理学療法の分野でも応用が可能だと思われます。

私たちは、動作分析を元にして、その人の治したほうが良い所を判断します。つまり、患者さんのカルテ情報を入力した状態で、動画を撮影し、動作分析をAIにしてもらいます。そうすれば、過去のデータを元に、AIが適切な治療法(理学療法)を割り出し、最短でリハビリの効果を発揮できる方法を提案してくれるかもしれません。

つまり、学生時代に苦労した、統合と解釈を瞬時に行ってくれるのです。ありがたい話ではありますが、理学療法士の存在意義にも関わってきそうな問題とも考えられます。

AIの導き出したリハビリメニューは素人でもできる?

リハビリメニューさえ分かっていれば、素人でもできるかも?と思うかもしれません。しかし、世の中には、様々な治療の手技が存在します。ボバース法やボイタ法、筋膜リリースなど、動画を見ただけでは、よく分からない場合があります。これは、しっかりと研修を受けた理学療法士でないと実施することは困難だと思います。そういう意味では、素人ができるリハビリも限界がある可能性があります。そういった意味では、治療技術を、しっかり習得しておく必要があるのではないかと思います。

心理サポートをAIが分析

リハビリをする上で、心理的なサポートも重要になってきます。今までは、セラピストの個人的な能力(経験を含む)が患者さんに影響を与えていました。

心理学の分野でもAIが人間を上回ると言われています。人間の表情や仕草などから、患者さんが何を考え、何を求めているのかを判断してくれるそうです。そして、適切な声掛けや行動を教えてくれるそうです。

将来は、統合と解釈だけでなく、心理的なサポートの仕方まで、AIは教えてくれるかもしれません。

しかし、適切な声掛けに関してはAIが教えてくれたとしても、どういった表情で対応するかはセラピストの資質に左右されると思います。セラピストの表情のコントロールはAIには不可能です。適切な場面で適切な表現ができるセラピストが必要とされるかもしれません。

リハビリロボット

最後に、リハビリロボットについてです。これは、随分、先の話になるかもしれません。人間の身体の柔らかさは、個人個人で異なります。ロボットは、その微妙な違いを認識しなければいけないので、身体を動かしてリハビリを行うのは、とても難易度が高いのではないかと思われます。また、認知症や精神疾患のある方だと、何をするか分かりません。臨機応変に対応するのは、とても困難なことです。

まずは、介護ロボットが先にできるはずなので、現時点では、職域を脅かされる心配はないと思います。

まとめ

AIによって、多くの仕事が脅かされます。理学療法士も例外ではないと思います。しかし、治療手技をしっかり身につけておけば、しばらくは、AIと共存することは可能だと思います。AIと戦うのではなく、共存することが、我々理学療法士の生き残る道ではないかと、私は考えています。

理学療法士の仕事の継続に不安を感じてみえる方は、その他のスキルを身につけておくというのも良いと思います。つまり、副業をしながら、別のスキルを身につけておくのです。自分には、どのような副業が合っているのか知りたい!という方は、本ブログの「副業を考える理学療法士に、お勧めの本(準備編)」を、ご覧下さい。きっと参考になると思います。

参考図書

2030年すべてが加速する世界に備えよ  著者 ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラー

AI×人口減少 これから日本で何が起こるのか 著者 中原圭介

60分でわかる!AI&ヘルスケア最前線 著者 三津村直貴、岡本 将輝

AIvs教科書の読めない子どもたち 著者 新井紀子

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