理学療法士という職業に未来はあるのか

今回は、未来の話です。理学療法士という職業に、不安を感じてみえる方はみえますか?そんな不安を少しでも抱えてみえる方のための記事です。

理学療法士は、年々増加の一途を辿っています。理学療法士を養成する学校が増えた事もありますが、比較的新しい職業なので、辞めていく人が少ないという事も関係しています。日本は、少子高齢化が進んでおり、しばらくは、需要と供給のバランスを維持できるのではないかと考えられます。しかし、いつかは、バランスが崩れる時がくるということも頭に入れておかなければいけません。

・いつバランスが崩れるのか?

現在の社会保障制度が継続していれば、しばらくは大丈夫と考えられます。しかし、積み重なる国債(国の借金)や、GDP(国内総生産)の低迷からみても、若い世代ほど、自分の年金受給年齢まで安心と考えるのは、リスクが高いように感じます。

今までの社会は、「3ステージ」でした。3ステージとは、以下のことを言います。

教育⇒仕事⇒老後

しかし、寿命が延びたことにより、3ステージを維持するのが困難になってきています。現状維持のために、年金支給年齢の上限を上げるなど、国も対策を打ち出しています。若い世代ほど、年金支給が遅れる可能性は十分にあると考えます。そのため、これからは、若い世代ほど、「マルチステージ」もしくは、「FIRE」を目指して生きていく必要があります。

「マルチステージ」とは、1つの仕事、1つの会社に捕われず、年金支給年齢に達するまで、様々な経験と技術、知識を得ながら、働いて生きていくことを言います。

「FIRE」とは、「Financial Independence, Retire Early」の頭の頭文字をとったもので、「経済的に自立し、早期にリタイアする」ことを言います。主に、株式投資などの不労所得で、生計を立てていくことを言います。

これらの事を、もっと詳しく知りたいという方は、下記の本を、お勧めします。

LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略

著者 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット

LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略

著者 同上

FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メゾット

著者 クリスティー・シェン、ブライス・リャン

話が少し逸れたので、戻します。理学療法士は、今後、どうなるのでしょうか?

理学療法士の給料自体は、医療保険、介護保険の枠内で決まるので、減ることはあっても、増えることはないという可能性が高いと考えています。また、医療の発達により、今まで治せなかった病気を治せる可能性もあります(病気が治るのは、喜ばしいことではありますが)。病気が減るということは、理学療法士の仕事が減る可能性もあります(理学療法士には痛い話ですね)。

未来のことなので、不明瞭な事が多いです。しかし、ある日突然変わることもあるかもしれません。準備をしておくにこしたことはないというのが個人的な見解です。

未来の事を、少し勉強したいという方は、下記の本を、お勧めします。医療分野についても言及しており、とても興味深いです。少しぶ厚めの本ですが、医療以外の分野も、どのように変化していく可能性があるのかが書かれています。面白いので、どんどん読めてしまいます。

2030年すべてが「加速」する世界に備えよ

著者 ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラー

「需要と供給のバランスの崩れ」と「医療の発達」が進めば、理学療法士は、どのように職域を守っていけばよいのでしょうか?

もし、このまま何もしなければ、「給料が減る」「資格があっても仕事がない」ことなどが起こる可能性も考えられます。国の方針次第ではありますが、「理学療法士を介護職員と同じ扱いにする」というケースも、100%ないとは言い切れません。理学療法士を介護職員と同じ扱いにしたら、介護現場の人員不足を補えるかもしれませんね。

私の考えではありますが、我々理学療法士は、今後、以下のことが必要になると思います。

①「専門性を高め、誰にも負けない」

②「副業をして、別の収入源をつくっておく」

③「病気の予防分野に力を入れる」

上記の事が必要かと思います。①「専門性を高め、誰にも負けない」で頑張るという方は、ぜひ、頑張って下さい。救われる方も、多くなりますし、周りのスタッフにも、良い影響を与えることは間違いありません。1番を目指すのであれば、最後まで、やり抜く力が必要かと思います。そんな方には、こちらの本を、お勧めします。

やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

著者 アンジェラ・ダックワース

自分のやり抜く力を図る、グリット・スケールという質問が載っています。簡単な質問に答えるだけで、自分のやり抜く力が、どの程度あるのか知ることができます。やり抜く力が高い人ほど、過去に偉大な功績を残された方が多いそうです。

②「副業をして、別の収入源をつくっておく」に関しては、本ブログ「副業を考える理学療法士の方に、お勧めの本(準備編)」を、ご覧下さい。

③「病気の予防分野に力を入れる」に関しては、いろいろなやり方があると思います。予防分野は、理学療法士という立場からしたら、「運動」があります。しかし、それでは、他の理学療法士とかぶってしまいます。できれば、「運動」×「その他」が良いと思います。「その他」に関しては、「自分の人生の軸」と組み合わせられると、大きな力を発揮できるのではないかと思います。

上記以外でも、それぞれ自分に合ったやり方があるかもしれません。マルチステージを生きていくために、新しい理学療法士の道を開拓できるようにしていきましょう。

いかがでしたか?将来に不安を感じてみえる方が、少しでも不安を解決できそうなヒントを得られることができたら幸いです。

コメント

  1. […] 理学療法士という仕事は、どうでしょうか?以前、AIとの共存は可能という意見を書きました。詳しくは、本ブログの「理学療法士は将来的にどうなるのか?」を、ご覧下さい。 […]