予防接種を受けても、抗体がつかないという方はいませんか?
実は、私もそうでした。体質の問題なのかと思っていました。しかし、実は、違いました。
予防接種は、「睡眠」に影響を受けるのです。
予防接種の効果が激減する睡眠不足
2002年、「睡眠」と「インフルエンザワクチン」についての研究が行われました。
健康な若い大人を2つのグループに分けました。
「4時間睡眠」と「7時間半~8時間半睡眠」のグループに分かれ、6日間続けました。
6日間終了後、インフルエンザワクチンの予防接種を受け、効果を確認しました。
すると、「7時間半~8時間半睡眠」のグループは、強い抗体反応を示しました。
しかし、「4時間睡眠」のグループは、50%の抗体反応しか示しませんでした。
A型肝炎、B型肝炎のワクチンでも同様の結果となりました。
つまり、睡眠不足が続くと、予防接種を受けても効果が激減してしまうのです。
睡眠不足を取り戻せば抗体がつく?
睡眠不足が続いた後に、たくさん寝れば、抗体がつくのでは?と思いますが、そうはならないようです。
睡眠不足が1週間続いた人を調べたところ、2週間たっても3週間たっても、抗体が効果が得られませんでした。
また、ある種の免疫細胞は、1年たっても縮小したままという結果が得られました。
つまり、1年たっても睡眠不足の影響は、残ってしまうということになります。
少しくらいなら大丈夫と、睡眠を削るのはやめたほうが良さそうです。
睡眠と免疫の関係
カリフォルニア大学のプラザー博士は、睡眠と免疫の研究を行いました。
150人以上の健康な男女を集め、鼻に大量のライノウイルスを注入しました。
そして、睡眠時間が「5時間未満」「5~6時間」「6~7時間」「7時間以上」の4つのグループに分けました。
感染率は、綺麗に比例することになりました。
「5時間未満」のグループは、50%の感染率になりました。
しかし、「7時間以上」のグループは、18%の感染率でした。
睡眠不足で免疫力が低下する
睡眠と免疫に関する研究は他にもあります。
健康な若い男性を、一晩だけ睡眠時間を4時間に減らしたという実験があります。
すると、ナチュラルキラー細胞が、8時間寝た時と比較すると、70%も少なくなったのです。
このナチュラルキラー細胞は、癌細胞などを攻撃する細胞です。
つまり、体内の癌細胞が放置されてしまう危険性があるのです。
睡眠不足で癌のリスクがあがる
睡眠が6時間以下の人は、7時間以上の人と比較すると、癌になる可能性が40%上昇するという研究があります。
どの調査でも同じような結果が得られているため、睡眠不足は癌のリスクを高めると言えます。
また、マウスを使った実験では、睡眠不足になると、癌が成長するスピードが200%増加しました。
癌に関しては、「睡眠障害は癌の原因にも!?睡眠改善で癌細胞を抑えよう」のほうでも書いています。よければ、併せてご覧下さい。
以上のことから、睡眠不足は癌と深い関わりがあります。
まとめ
「睡眠不足」は、「予防接種の効果の激減」「免疫力の低下」につながります。
睡眠は、こうすれば一気に改善するというものではありません。日々の積み重ねが大切です。
少しでも睡眠を改善させたいという方は、まずは睡眠の基本知識を確認して下さい。「睡眠の知識」
睡眠薬に頼るのは、身体に良いとは言えません。眠れる方法はいろいろあります。ご自身にあったものを探してみるのも良いのではないかと思います。「睡眠の検証」
睡眠不足は、様々な悪影響を引き起こします。
心疾患については、「心疾患は遺伝しない 心疾患を予防したいなら睡眠を改善しよう」をご覧ください。
糖尿病については、「糖尿病を予防したければ、睡眠の改善からしたほうが良い理由」をご覧ください。
美容については、「好きな人を振り向かせたいなら睡眠にも注意」「睡眠こそがコスパ最強のダイエット法」をご覧ください。
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