心疾患の原因の1つに不眠症(睡眠障害)が関係しているのは。ご存知ですか?
今回は、睡眠と心臓の関係について、書いていきます。
心疾患は遺伝しない
「うちは、心不全の家系だから」という言葉をよく耳にします。
先に結論を言います。「心疾患関係が遺伝する可能性は低い」です。
そもそも、身体能力(走ったり、飛んだり)に関しては、遺伝すると言われています。しかし、それ以外は、遺伝ではなく、育った環境や生活スタイルで決まると言われています。
だから、「心不全の家系」という表現は適切ではありません。正確には、「心疾患を発症する生活スタイルを長年続けてきた」になります。
親から教えてもらった、幼い頃から当たり前に行ってきた行動が、心疾患の発症に関わっている可能性があります。
もし、親が心疾患になったのであれば、自分の当たり前の生活を疑ってみることから始める必要があります。
睡眠と心臓の関係
日本人の3~5人に1人が睡眠に問題を抱えていると言われています。あなたは大丈夫ですか?
「睡眠」と「心臓」には密接な関係があり、様々な研究でも分かってきています。例えば、下記のようなものがあります。
*50万に以上の男女を対象に行った実験で、睡眠時間が短くなるほど、冠状動脈性心疾患を発症する、またはこれを原因で死亡するリスクが45%上昇する。
*睡眠時間が6時間以下だった人は、6時間以上眠っていた人に比べて、1回以上の心停止を経験するリスクが400~500%以上上昇します。
*45歳以上の人で、睡眠時間が6時間未満の人は、7~8時間寝ている人と比較すると、生涯で心臓発作か脳卒中を起こすリスクが200%以上上昇します。
*健康な中年を対象にした実験で、睡眠時間が6時間以下の人は、5年間の間に冠状動脈の効果が始まる確率が7~8時間寝ている人と比較して、200~300%上昇する。
以上の研究から分かる通り、睡眠を削るということは、心臓に負担をかけることと同義です。
適切な睡眠時間とノンレム睡眠の重要性
前述のとおり、睡眠は7~8時間とったほうが良いと言われています。
様々な本を読んできましたが、7~8時間必要な理由は、以下の記事にまとめています。
必要なのは、睡眠時間だけでなく、「睡眠の質」も大切になります。
睡眠は、4つのステージに分けられます。その中でも、心臓にとって「深いノンレム睡眠」が重要になります。
心臓は、起きている時も寝ている時も絶えず動いています。心臓も他の細胞と同様に、細胞が生まれ変わっています。さて、動いている中、どうやって細胞が置き換わっているのでしょうか?
深いノンレム睡眠時は、心臓の心拍数が極端に少なくなります。この時に、心臓の細胞が新しく置き換わっていると言われています。
つまり、睡眠障害があると、心臓が新しい細胞に置き換わることができないのです。
深いノンレム睡眠がとれているのか?どう判断するのか?
「深いノンレム睡眠」が大切なのは分かって頂けたと思います。
しかし、自分自身がどの程度、深いノンレム睡眠がとれているのかが分かる人はいません。
どうしたら、睡眠の質を図ることができるのでしょうか?現在は、個人でも睡眠の状態を把握することができる機器を手に入れることができます。
正確な情報を知りたい場合は、「Isomnograf」という機器の購入をお勧めします。頭に電極をつけて調べるので、より正確な睡眠の状態を知ることができます。
頭に電極なんかつけたら眠れないという方は、スマートウォッチのほうが良いかもしれません。
「Applewatch」や「FitBit」など高価格帯のものであれば、心電図などを計測できる機能も搭載しています。
高価格帯のものに手を出すのは抵抗があるという方は、もう少し安価なもので試してみるのも良いかもしれません。
私は、シャオミのスマートバンド6を使用しています。「シャオミ スマートバンド6 睡眠の管理」
手頃な価格の割に、しっかりとデータがとれるので、個人的には十分ではないかと思っています。
寝不足は心臓に負担をかける
深いノンレム睡眠が一番大切ですが、睡眠全体の状態も疎かにしてはいけません。
睡眠時間を削って、活動する時間が長くなるということは、交感神経が絶えず優位になっているということです。「自律神経のバランスを整えるだけで体調不良が減る」
交感神経が優位になると、心拍数が上昇します。つまり、心臓が一生懸命働きます。
あなたがマラソンしている時の事を想像して下さい。休憩もとらずに、走り続けているとどうなりますか?
しんどいですよね?
睡眠時間を削って活動し続けるということは、心臓にとっては、ずっとマラソンをし続けているのと一緒です。
休憩をとらずにマラソンをし続けると、いつかは倒れることになります。
「人生はマラソンだ」と表現する人もいます。しかし、走り続けるには限界があります。
心臓のためにも、睡眠はしっかりとるようにしましょう!
そうすることで、将来心疾患になる可能性は低くなっていく可能性があります。
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