夜の電気や寝室の電気は、どうされていますか?部屋内をLDE電球で明るくして過ごしていたりしていませんか?
また、暗くすると怖くて眠れないという理由で電気をつけたまま寝ていませんか?
もしそうであれば、即刻辞めたほうが良いです。結論を言うと、身体に害しかありません。
今回は、「夜間の部屋の光と寝室の適切な光」について解説していきます。
豆電球で子供の近視が進む
豆電球で寝るという方も多いと思います。子供さんが暗いのを怖がるのでつけているという場合もあると思います。
すぐにやめましょう!理由は、豆電球のまま寝ると、子供の近視が進む可能性があるからです。
子供の「近視」と「光」について、ペンシルベニア大学のシェイエ眼科研究所の研究があります。
2歳未満の子供479人を3つのグループに分けました。
「真っ暗の状態」「豆電球をつけた状態」「電気をつけた状態」で寝るグループです。
「真っ暗の状態」では、近視になったのは10%でした。
「豆電球をつけた状態」では、34%でした。
「電気をつけた状態」では、55%の子供が近視になりました。
もちろん、理由が寝室の光だけというわけではありませんが、影響がないとは言えないと思います。
また、子供だけでなく大人も影響を受けます。
奈良県立医科大学の研究によると、「夜間の豆電球の光で、肥満や脂質代謝異常のリスクを増やす」ことが分かっています。
豆電球、電気をつけたまま寝るのは避けた方が良いと思いませんか?
寝室は、極力、真っ暗にしたほうが良いと思います。
自宅の外が明るいという方は、遮光カーテンなどの活用をお勧めします。
光は睡眠関連ホルモンメラトニンの分泌を抑える
メラトニンは夕方から徐々に分泌され始めます。午後9時過ぎくらいから分泌量が増え、眠るための体制を作っていきます。
しかし、このメラトニンは、光を浴びることによって、抑制されてしまいます。
また、睡眠中に光を浴びると、メラトニンの分泌は、半分以下になってしまいます。
そもそもメラトニンは、朝日を浴びると、視交叉上核という部分が影響を受け、抑制されてしまいます。
この視交叉上核は、強い光(470ナノメーター)で、覚醒度が上がってしまうことが分かっています。
照度をあらわす単位に「ルクス」というものがあります。
室内照明は、50~500ルクスぐらいと言われています。150ルクス程度まで抑えると、メラトニンへの影響が少なくなると言われています。
現在は、アプリで部屋の明るさを調べられるものもあるようです。一度、そういったものを活用しても良いかもしれませんね。
ちなみに、メラトニンは朝の10時までに朝日(強い光)を浴びておかないと、夜の分泌が不十分になってしまいます。できれば、朝日を浴びましょう。
そして、メラトニンの生成には、食事内容も大切です。
食事については、「良質な睡眠をとるための食事のポイントとおすすめの本」で紹介しています。よければ、参考にしてみて下さい。
睡眠以外のメラトニンの機能
「メラトニン」は、睡眠ホルモンではなく、睡眠関連ホルモンです。睡眠以外にも、様々な働きがあります。
・免疫機能の改善
・血圧を正常化させる
・癌細胞などの異常細胞を免疫細胞に伝える
・DNAを保護する力を強化する
・活性酸素(フリーラジカル)の排除
・骨粗鬆症のリスクを下げる
・片頭痛などの疼痛の抑制
・甲状腺機能の改善
・インスリン感受性の向上
上記のような効果があるメラトニンは、身体にとってかかせないホルモンです。
メラトニンが少ないということは、病気に繋がることにもなります。
私は、夜間のメラトニンを減少は避けたいと思うのですが、あなたはいかがでしょうか?
ブルーライトは特に避けるべき光
現在の生活では、ブルーライトにあふれています。最も身近な所では、携帯電話(スマホ)です。
また、仕事でパソコンを使用される方も多いと思います。
すべて、身の回りの電子機器から、ブルーライトが出ていると考えたほうが良いです。
ハーバード・メディカル・スクールが、ブルーライトとグリーンライトを6時間半浴びる実験を行いました。
その結果、ブルーライトがメラトニンを抑える時間の長さは2倍となりました。
また、体内時計の変動率も2倍となりました。
電子機器から発せられるブルーライトは、睡眠関連ホルモンであるメラトニンを抑えてしまいます。
夕方以降は、できるだけ電子機器の使用は避けたほうが良いのではないかと思います。
電子機器の操作は2時間前に辞めたほうがいい
夜間の光が良くないことは分かって頂けたと思います。
では、どれくらい前から電子機器の使用を避けたほうがよいのでしょうか?
レンセラー工科大学の研究チームによると、寝る前に電子機器の画面に2時間に向かうだけで、メラトニンの量が著しく抑制されることを実証しました。
つまり、寝る2時間前には、デジタルデトックスをしたほうが良いと言えます。
寝る前は、オレンジ色(暖色系)が良い
部屋の照度は150ルクス程度が良いと前述しました。
具体的には、キャンドルなどの火が良いと言われています。しかし、キャンドルが好きな人なら良いですが、金銭面や、始末や手入れなども大変だと思います。
面倒だという方は、電球自体をオレンジ系(暖色系)のものに変更しても良いのではないかと思います。
しかし、今、使用している電球がもったいないという方もいると思います。
そんな方は、夜用のサングラスを使用しても良いのではないかと思います。
様々なサングラスが発売されているので、ご自身にあったものを試してみて下さい。
寝る前までは、できる限り、メラトニン分泌を邪魔しないような環境作りが大切になってきます。
まとめ
・寝室は、真っ暗にして寝ましょう。遮光カーテンも活用して下さい。
・寝る前は、居室の明かりも落としていきましょう。150ルクス程度を目安にしましょう。
・夕方以降は、オレンジ系(暖色系)の照明に変えていきましょう。
・照明の調整が困難な場合は、夜用のサングラスなどを活用していきましょう。
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