働く姿勢が変わる 理学療法士におすすめするビジネス書籍

私は読書が趣味で、1か月に15冊以上の本を読みます(ジャンルはバラバラです)。今回は、今まで読んできた中で、理学療法士1,2年目の時に読んでおきたかった本を、10冊ほど紹介したいと思います。新米理学療法士だけでなく、中堅の理学療法士の方でも、参考にして頂けるのではないかと思います。医学書は、勉強したい分野によって、欲しい本が異なると思います。ここでは、ビジネス書籍を中心に紹介したいと思います。作業療法士の方にも、参考になる本ではないかと思うので、興味がある方は、読んで頂けたら幸いです。選んだ本や順位は、私の独自の偏見です。ご了承下さい。

 1位 脳は回復する 高次脳機能障害からの脱出

著者 鈴木大介

41歳という若さで脳梗塞を発症した男性が書かれた本です。半側空間無視、注意障害、脱抑制などの高次脳機能障害の後遺症が残ってしまいました。しかし、自分なりに症状を考察し、解決策を模索されて、今では95%近く回復したと言われています。この本から学べることは、「症状は、教科書通りではない」ということです。私も、長い間、教科書で書かれていることを参考にしていました。しかし、この本を読んで、自分の間違いに気が付くことができました。「しゃべりにくい」という患者さんの訴えに対し、「しゃべれてますよ」などという返答は、してはいけません(私は、恥ずかしながら、やってました)。本人の言葉(想い)を、しっかりと受け止めなければいけません。また、現在の教科書(専門用語)にはない症状もあるそうです。理学療法士に限らず、全ての医療従事者に読んで欲しいと思える本です。

 2位 ケーキを切れない非行少年たち

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著者 宮口幸治

少年院に努められた精神科医の先生が書かれた本です。犯罪を犯してしまった少年たちは、知的障害、発達障害を、大人から見過ごされて成長してしまった子たちが多いそうです。本来であれば、支援が必要であったのにも関わらず、「問題なし」として扱われてしまった。そのため、頑張りたいのに頑張れない。できない自分に苦しんでいる子たちが多いそうです。これは、1位で紹介した「脳は回復する」の著者も、高次脳機能障害は、知的障害、発達障害の症状と似ていると指摘されています。リハビリを行っている中で、なかなか頑張る意欲を持てない患者さんに出会う方も多いのではないでしょうか?それを、元々の本人の性格かな?と思われる方もいるかもしれません。しかし、本当は違うかもしれません。高次脳機能障害の影響で、頑張りたいのに頑張れない状況かもしれません。また、元々、隠れた知的障害、発達障害を持った方かもしれません。そういった意味で、知識として読んでおいたほうが良い本だと思います。『ケーキの切れない非行少年たち2 どうしても頑張れない人たち』も併せて読むと、さらに理解が深まります。

 3位 LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる

著者 ケイト・マーフィー

「傾聴する」という言葉を、よく使いませんか?本当に聞けていますか?私も、この本を読むまで、聞けているつもりでいました(カルテに気軽に、「傾聴した」と書いていました)。患者さんの話を聞くことは、とても大切なことです。この本を読んでから、聞き方が変わりました。傾聴の仕方を変えるだけで、相手の反応が変わってきます(「話すつもりなかったのに、話しちゃった」と言われました)。なかなか実践することは難しいのです。しかし、幸い、私たち理学療法士です。絶えず、患者さんと「1対1」で話すことができます。聞き方を磨くのに、これ以上ない環境だと思います。ちなみに、「右耳は言葉を聞く」「左耳は感情を聞く」というような事も書いてあります。仕事以外でも、家族に対する聞き方も変わりました。以前より、意思疎通を図ることができたという実感もあります。仕事以外でも活用できるので、ぜひ読んでほしい1冊です。

 4位 コンサル一年目が学ぶこと

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著者 大石哲之

コンサルタントじゃなくて理学療法士なんですけど?という声が聞こえてきそうです。しかし、共通点があるので、読んでおいて損はないと思います。情報収集をして、少ない時間で本質的な課題(患者さんの治すべきところ)を探す。そして、アプローチ法を考える(治療を考える)。分からなければ、先輩に聞く。コンサルタントは、年齢やスキルは関係なく、「結果が全て」とのこと。いかがでしょうか?理学療法士にも、共通する点は多いと、私は感じました。ちなみに、パワーポイントの作り方なども書かれています。学会発表などがある理学療法士にとっては、ためになる本だと、私は思います。

 5位 嫌いなヤツを消す心理術

著者 神岡真司

何もしていないのに、患者さんから嫌われる(嫌がられる)。そんな経験はありませんか?(私はあります)なければ、良い事ですね。人間どうしても相性が合う、合わないがあります。スタッフ数の多い病院勤務であれば、他のスタッフに担当を変わってもらえば解決します。しかし、介護現場では、スタッフも多くないので、そういうわけにはいきません。何とか上手く関係を築かなければいけません。この本は、対人関係を改善させるためのヒントが書かれています。幸い、リハビリを受ける方は年長者の方が多いので、「先生と生徒の関係を築き、教えを乞う」ことで関係を改善させることができるかもしれません。その他にも、嫌われている状況から、「何でもない人」にするための方法が書かれています。対人関係で悩まれている方は、読んでみると、良い解決策がみつかるかもしれません。

 6位 脳科学×瞑想 聞くだけマインドフルネス入門 脳疲労が消える 最高の休息法

著者 久賀谷亮

次から次へと患者さんを治療していく中で、疲れませんか?私は、午後2~3時くらいが、疲れて集中力が低下する時間帯でした。患者さんと会話しながら、身体を評価して治療する。頭と体をフル活動させているので、疲れないはずがありません。この疲れを、少しでも軽減できないかと思い、辿り着いたのが瞑想です。昼休憩中に瞑想を行うことで、午後の疲労が軽減します。病棟勤務でも、少しトイレ休憩などを挟み、瞑想を行うこともできると思います(バレないように、ほどほどにして下さいね)。瞑想は、科学的にも良いという報告があります。リフレッシュして、次の業務に取り組めるのではないかと思います。

 7位 スタンフォード式 最高の睡眠

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著者 西野清治

睡眠は自分自身のパフォーマンスを上げる上で、とても大切です。調べものなどで睡眠時間が削られると、翌日の仕事に影響します。仕事のミスは、患者さんのケガにつながる可能性があります。自己管理をすることは、とても大切なことです。また、睡眠不足は、運動(リハビリ)の効果を下げてしまいます。患者さんを治療するうえで、患者さんが睡眠をとれているのか?ということにも、ぜひ意識を持って頂けたらありがたいです。この本は、睡眠の大切さを学べる本です。マンガ版もでているので、文字を読むのが億劫という方は、そちらを読まれてもよいかと思います。

 8位 さぁ、才能に目覚めよう ストレングスファインダー2.0

著者 トム・ラス 

苦手な事を克服することに、時間をかけた経験はありませんか?(私はあります)しかし、この本では、得意な事から取り組んで、伸ばしていきましょう!と、言っています。この本は、自分の強みが分かる本です。自分の特性を知った上で(周りにも知ってもらうことで)、仕事に取り組めば、業務の効率が上がるかもしれません。インターネット上で、質問に答えるだけで「自分の強み5つ」が分かります。私も試してみましたが、納得のいくものでした。また、仕事で、どのようなパートナーと組むと、成果が上がるかも教えてくれる本です。

 9位  このまま今の会社にいてもいいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

著者 北野唯我

転職するつもりないんだけど?定年まで働くつもりなんだけど?という声が聞こえてきそうです。しかし、この本は、できれば就職前に読んでおきたい本でもあります。働く姿勢が変わると思います。理学療法士は年々増加傾向にあります。同じようなスキルを持った理学療法士が増えると、将来どうなるのでしょうか?自分の市場価値を高めておくことは非常に大切な事です。会話形式で書かれているため、とても読みやすいです。

新人でも、就職早々辞めたいと思ってみえる方もいるかもしれませんね。そんな方は、本ブログの、「理学療法士のための転職思考法」を、ご覧下さい。

 10位 なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?偏差値37のバカが見つけた必勝法

著者 村山 太一

著者は、「一流を完コピしてから、自分流にアレンジする」ことを、お勧めしています。理学療法を行いながら、周りのリハビリスタッフを真似するのは難しいかもしれません。しかし、他人の良い所は、どんどん盗んで取り入れていくべきだと思います。また、著者は、星付きシェフでありながら、自分よりも年下(高校生のバイト)などからも、教えてもらうと書かれています。年齢にこだわらず、学べる事は、全て吸収して自分のものにしていく姿勢というのは、とても大切な事だと思います。また、経営者としての心構えなどについても書かれており、中間管理職などを目指している方にも、お勧めできる本です。

最後に

「自分には参考にならなかった」という声もあるかもしれません。しかし、少しでも「読んで良かった」と、言って頂ける方がいたら、幸いに思います。

本を読む時間なんてない!という方もいるかもしれません。そんな方は、オーディオブックなどを使用してみるというのも1つの手だと思います。隙間時間を有効に活用できるので、良いと思います。

冒頭にも書きましたが、私は、1か月で15冊以上の本を読みます。どのように、それだけの読書量をこなしているかも、本ブログで紹介しています。よければ、ご覧下さい。「読書法」

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