睡眠障害は始めに原因を把握すること 治し方は原因により異なる

私は、今まで睡眠に関する本を20冊以上読んでいます。読んだ本については、本ブログの「睡眠の本紹介」を、ご覧下さい。

今回は、睡眠の問題(障害)について、まとめていきたいと思います。睡眠は日本人の5人に1人が悩みを抱えていると言われています。適切な睡眠時間については、本ブログの「必要な睡眠時間は何時間か?」を、ご覧下さい。

一般的な睡眠障害(不眠症)は、大きく分けて4つあります。「入眠障害」「中途覚醒」「早期覚醒」「熟眠障害」です。睡眠に関する病気として代表的なものとしては、「睡眠時無呼吸症候群」「ナルコレプシー」などがあります。

自分の睡眠の状態は良いのか、どう把握する?

自分がどのような睡眠がとれているかどうか正確に把握するには、脳波を測定する道具が必要になります。頭に電極を張り付ける「Insomnograf」というものがあります。慣れもあるとは思いますが、電極を張り付けるので、違和感を感じる方は、寝つきが悪くなってしまうかもしれません。また、高価なものなので、購入するには、勇気がいりそうです。

最近、活用されてみえる方が多いのがスマートウォッチです。脳波は測定できませんが、心拍数などから、だいたいの睡眠の状態を把握することができます。高機能なスマートウォッチとしては、「Apple watch」「Fitbit」などが有名です。しかし、これも安価とはいえません。もう少し手頃なものが欲しいと思った私は、7000円前後のスマートバンド6という、スマートウォッチを使用しています。使用している私の意見としては、スマートバンド6で十分だと思います。興味のある方は、本ブログの「スマートバンド6で睡眠の管理をしてみます」を、ご覧下さい。

その他にも、「オーラリング」という指輪型のものがあります。頭の電極や腕の時計が気になって寝られないという方は、指輪型のほうがいいかもしれません。ただし、価格も高めなので、いきなり購入するには躊躇しそうです。

以上のことから、まずは初心者は、手頃な値段のスマートウォッチから試してみることを、お勧めします。

入眠障害

寝つきが悪いという方は、入眠障害になります。人は寝つくのに、10~15分程度かかるそうです。寝つくまでに30分以上かかる方は、入眠障害の可能性があります。入眠障害の主な原因は、ストレスが考えられます。何か考え事をしていると、寝つきは悪くなります。それが、人間関係の悩みであったり、仕事の悩みであったり、悩み事は人それぞれだと思います。悩んで寝つきが悪いという方は、本ブログの「対人関係で悩んで寝られない人に、お勧めの本」を、ご覧下さい。何か参考になるかもしれません。

ストレス以外にも、入眠前の習慣にも原因が隠れているかもしれません。例えば、寝る前の運動です。運動をすると交感神経が優位になってしまいます。また、ブルーライトを浴びることで、睡眠関連ホルモンであるメラトニンが抑制されてしまっているかもしれません。ストレスがないのに、眠れないという方は、ぜひ、生活習慣を見直してみて下さい。それだけで、入眠しやすくなります。

寝つきが良くなる方法をお探しの方は、本ブログの、「寝つきが良くなる」を、ご覧下さい。何か参考になるものが見つかるかもしれません。

中途覚醒

夜中に何度も起きてしまう状態を中途覚醒と言います。原因としては、自律神経の乱れが考えられます。自律神経に関しては、本ブログの「自律神経のバランスを整えるだけで体調不良が減る」を、ご覧下さい。自律神経を整えるには、生活習慣全般を見直していく必要があります。

夜中に、何度もトイレに起きてしまうという方もいると思います。夜間頻尿という方もいるかもしれませんが、そうではない可能性もあります。これも入眠障害と同様に、習慣が影響している可能性があります。同じような時間に目が覚めるという方は、「この時間にトイレに行く」と脳が認識してしまっている可能性があります。脳の認識を変えていく必要性があります。

夜間頻尿などが原因の場合は、食事内容の見直すことや(糖質を控えるなど)、下肢(骨盤底筋)の筋力を鍛えてみたりすることで改善するかもしれません。どうしても改善が難しければ、泌尿器科に相談しに行ったほうがいいかもしれません。

早期覚醒

予定していた時間よりも、朝早く目が覚めてしまう状態を早期覚醒と言います。また、就寝時間を何時にしても、早く目が覚めてしまう状態のことを言います。早期覚醒の原因は、体内時計が関わっている可能性があります。体内時計に関しては、本ブログの「体内時計を」を、ご覧下さい。

体内時計の乱れは、夜勤などがある職業の方が多いかもしれません。仕事なので、なかなか辞めることができないと思います。しかし、お金よりも、ご自身の健康のほうが大切ではないかと思います。本当に体調が崩れそうだと感じてみえる方は、ぜひ一度、他の職場、職業がないかを検討してみて下さい。

うつ病の方も、早期覚醒が多いと言われています。うつっぽなと感じてみえるかたは、なるべく早めに対処したほうがいいかもしれません。

熟眠障害

寝ても寝足りない、寝た感じがしないという方は、熟睡障害かもしれません。睡眠時間は足りているはずなのに、日中眠気がある。また、朝起きた時に、疲れやだるさを感じている方は、可能性があります。原因としては、睡眠時無呼吸症候群などが考えられます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時に10秒以上呼吸が止まる状態のことを睡眠時無呼吸症候群と言います。寝ている時に、20~30秒呼吸が止まります。日中、20~30秒息をとめてみて下さい。結構、苦しいと思います。その状態が寝ている間に、何度もあなたを襲うのが、この病気です。酸素が取り込めないということは、身体が酸欠になり、何かしらのダメージを負うことになります。家族から指摘されて気づかれる方が多いと思います。1人ぐらしの方は、就寝中の動画の撮影や、スマートウォッチなどで確認してみると良いと思います。

原因としては、軟口蓋(舌)が、空気の通り道(気道)を塞ぐことで呼吸が止まります。肥満などの方に多いようです。

治療としては、CPAP(持続陽圧呼吸)というものがあります。これは、医師からの指示が必要になるので、医療機関を受診して下さい。

マグネシウムを摂取すると、症状が軽減するという話もあります。しかし、なぜ軽減するのか詳しいメカニズムは分かっていません。興味のある方は、本ブログの「マグネシウムの睡眠の効果は?」を、ご覧下さい。

ナルコレプシー

日中、突然眠くなる病気です。本人の意志に関係なく、突然眠ってしまうため、ケガなどのリスクもあり、とても危険な病気です。原因は、オレキシンの欠乏と言われています。オレキシンは、覚醒の維持に関わります。ナルコレプシーの方は、脳内でオレキシンが作られないために、起きていることが困難になります。

喜んだり笑ったり感情が大きく動く時に、誘発することがあるそうです。なるべく感情の起伏を感じないようにすることが大切と言われています。しかし、それでは、日常生活に大きく支障が出ると思います。ナルコレプシーは研究も進んでいるようなので、医療機関で、ご相談ください。

睡眠時随伴症(夢遊病)

睡眠時随伴症の代表例が、夢遊病です。寝ているのに、歩き回ったり、何かをし始めたりする病気です。子供には、みられる症状とのこと。止めるのではなく、ケガしないように見守ることが大切だと言われています。しかし、大人の場合は、対応が異なってきます。海外では、殺人事件を起こしたケースもあるようです。寝ている間に家族を殺してしまったということにならないように、医療機関で適切に治療してもらったほうが良いと思います。

まとめ

不眠症となると、どうしても睡眠薬などに頼りがちになります。しかし、不眠症の大半は、自力で治すことができると私は考えています。それは、生活習慣が不眠の原因になっていると考えているからです。私自身、生活習慣を大きく変えたことで、睡眠の状態が大幅に良くなりました。毎日の食事や運動量、ストレスなどが、大きく関わっていると実感しています。

睡眠薬に頼ると、睡眠薬なしで眠ることが大変になってしまいます。薬である以上、副作用はあります。死ぬまで睡眠薬を飲みたいですか?もし、飲みたくないという方は、ぜひ生活習慣の大幅な見直しを行ってみて下さい。睡眠薬に頼るのは、それからでも遅くはないはずです。

睡眠に関する病気は、上記以外でも、たくさんあります。もし、上記には当てはまらないけど、睡眠で悩んでいるという方は、睡眠外来などがある医療機関を受診することを、お勧めします。

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