あなたの職場では、社内アンケートを行っていますか?
社内アンケートは、部下のことを把握しようとするために行うのですが、しっかり生かすことができていますか?
せっかく行ったアンケートを業務改善に生かせないようであれば、意味がありません。
今回は、「社内アンケートで部下を把握するためのコツ」について書いていきます。
アンケートの目的
そもそも、あなたは社内アンケートをやる意義を理解していますか?
「アンケート」は、問題点を抽出し、改善点を検討、そして実行するために必要なものです。
間違っても、今の自分の管理の仕方が良いかどうか(自分の立ち位置)を確認するものであってはいけません。
部下に貴重な業務時間を使わせてまで実施するアンケートです。中身は、有意義なものでなくてはなりません。
目的が明確でないアンケートは、自己満足アンケートです。付き合わされる部下は、たまったものではありません。
ダメなアンケートとは?
自己満足アンケートじゃないぞ!という人もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
例えば、「今の職場は働きやすいですか?」という質問が入っていませんか?
これに対するアンサーが、以下のものです。
「非常にそう思う」「そう思う」「普通」「そう思わない」「全くそう思わない」
私が、部下だったら、無言で返します。答える価値がありません。
「自分も同感だよ」という方は、アンケートの意味を理解されている方です。
「え?何がマズイの?」と思った方は、一度、アンケート内容全て見直したほうが良いです。
おそらく、大半が意味のないアンケートになっています。自己満足アンケートです。
そもそも、「職場の働きやすさ」とは、個人個人で異なるものです。
「環境の問題」「人間関係の問題」「仕事の量の問題」「仕事の質の問題」など、働きやすさを求める基準が人によって違うのです。
「曖昧な質問」では、その裏に隠れた意味を知る事は、絶対に不可能です。
つまり、質問は曖昧ではなく、細かく聞く必要があるのです。
本心が隠れてしまうアンケートはダメ
次に、本心が隠れてしまうようなアンケートはダメです。
例えば、「職場を辞めようと考えていますか?」という質問です。
これに対するアンサーが、以下のものです。
「強く考えている」「考えている」「どちらとも言えない」「考えていない」「全く考えていない」
「全く考えていない」と答えた部下以外の本心は、全く分かりません。
辞めようと強く考えているけど、本心を知られるのは嫌なので、「考えていない」と回答する可能性があります。
アンケート結果を真に受けて、「うちの職場は、過ごしやすくて、みんなずっと勤めてくれようと思っているんだ」などと考えていたら大変です。
ある日、突然、大勢の部下から、大量の退職願を叩きつけられる可能性があります。
「え?辞めようと考えていないんじゃなかったの!?」と驚くかもしれませんが、そもそも部下の本心を聞き出せていないので、当たり前の事です。
言いづらい内容をアンケートにすることは、意味がないのです。
適切なアンケートとは?
前述の通り、「曖昧な質問」や「本心が隠れてしまう質問」はNGです。
適切なアンケートを行うには、「課題を見つけ出すための細かい質問」が大切です。
例えば、「人間関係」で問題が生じていないかのアンケートをとるとします。
「人間関係はいいですか?」と聞かれても、答えに困ってしまう部下が大半です。
それは、仲の良い同僚もいれば、そうでない同僚もいるからです。
そこで、以下のように、質問を分割します。
「何でも話せる同僚がいますか?」「異性の同僚とは円滑に話せますか?」「先輩に相談しやすいですか?」
もっと細かくできますが、ここでは、この程度にしておきます。
「何でも話せる同僚がいない」と答えた部下がいたとしたら、1人で悩みを抱えている可能性があります。
「異性の同僚と円滑に話せない」と答えた部下がいたら、話せない理由を確認する必要があります。業務に支障が出ます。
「先輩に相談しにくい」と答えた部下がいたら、相性の問題かもしれませんし、教育システムの問題かもしれません。
大切なのは、アンケートによる質問で、部下の「本質的な課題」を見つけ出すことです。
アンケートを通して、問題を見つけ出し、課題解決のための方法を検討し、行動していくことが大切なのです。
間違っても、「大半の部下が働きやすい職場みたいだ!良かった!良かった!」で終わってはいけません。
無回答で返ってきたら、アンケート内容を見直そう
大半の部下は、めんどくさいと思いながら、アンケートに答えてくれると思います。
しかし、一部の部下は無回答で返してくる可能性があります。そういう時は、非協力的だな!と怒るのではなく、アンケート内容を見直したほうがいいです。
私自身、「このアンケートは答えるだけ無駄」と判断したアンケートは無回答で返します。
逆に、ちゃんとしたアンケートには、誠意を持って回答しています。
このような考え方をしている人間は、私だけではないはずです。
無回答で返ってきたら、自分の出したアンケートが「無駄」と思われている可能性があります。
一度、本当に意味のあるアンケートが確認してみませんか?
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