発達障害は治すのではなく改善方法を検討したほうがいい理由

あなたの職場に、ちょっと変わった方はみえますか?

そのちょっと変わった人は、実は「発達障害」かもしれません。

明かな発達障害の場合は、分かりやすいかもしれませんが、実は世の中には、多くの軽度発達障害の方がみえます。

学生時代、気がつかれず、社会に出てから発覚するケースも多いと言われています。

詳しくは、「発達障害は職場全体で理解したほうが良い理由」をご覧ください。

職場のちょっと変わった人のせいで、職場の空気が悪くなったり、対人トラブルが起きたりする場合もあるかもしれません。

放置しておくのは、様々な人に悪影響です。当人にとっても、周囲の人間にとっても、ストレスになる場合があります。できる限り、迅速に対応する必要があります。

今回は、「発達障害は治すのではなく改善方法を検討したほうがいい理由」について書いていきます。

発達障害は治らない

あなたは、発達障害について、どの程度の知識がありますか?

発達障害は、病院に受診し、検査することで診断がおります。

診断がおりるということは、治療もあるんですよね?と思う人もいると思います。

もちろん、治療をします。薬も出ます。ただし、発達障害は、「病気ではなく、生まれ持ったその人の特性」なのです。

症状を緩和させることはできるかもしれませんが、残念ながら、根本が治ることはありません。

そもそも、生まれもった特性(性格)を治そうという考え方自体がおかしいのかもしれません。

あなた自身で考えてみて下さい。生まれもった性格を変えろと言われても難しいのではないでしょうか?

「自分の性格を、変える」というのは、相当なストレスではないでしょうか?

それを、発達障害の人に強いるのは酷な話だと思います。

大切なのは、発達障害の人の特性(性格)を理解し、お互いに尊重することではないでしょうか?

注意は、あまり意味がない

発達障害の人に注意するのは、あまり意味がありません。

そもそも、本人に悪気はないのです。

注意したところで、何で自分が注意を受けたのか理解できないのです。

仮に、注意した意味を1から10まで説明したとしても、理解してもらえるか分かりません。

普通の人なら、「これをしたから注意されたんだな。次からは、気をつけよう。こういう行動をしよう。」と考えます。

発達障害だと、「注意された。」と、そこで思考が止まってしまうのです。「次は、こうしたほうがいいな」となりません。

だから、注意するのではなく、「〇〇の場合は、〇〇の対応をしよう」というように、「AをしたらBをする」方式を採用して下さい。

上手くいかない時は、「Bをする」の部分を工夫していきましょう。

治らないなら改善策を模索する

薬などの治療で、多少は変わるかもしれませんが、発達障害自体は治りません。

そこで、本人含め、周囲と協力して改善策を模索する必要があります。

発達障害は、人によって異なります。

その人の特性を把握して、1つ1つ改善策を考えていく必要があります。

自閉症タイプであれば、そもそも人とのコミュニケーションが苦手です。

対人スキルが乏しいのであれば、メールでのやり取りなら上手くいくかもしれません。

他人の気持ちを推し量るのが苦手なので、定型文を作成して、変な軋轢を生まない工夫をする必要があります。

ADHDであれば、注意力が散漫になってしまいます。普通の人なら問題なくこなせる1つ事柄であっても、難しい場合があります。

そのため、1つの事柄を、細分化する必要があります。

例えば、カレーライスを作るとします。普通の人なら、カレーライスを作ると言われたら、特に迷わず行えます。

おそらく、ADHDの人は、カレーライスを作る途中で、全く違うことをし始めます。作業量が多すぎるのです。そこで、細分化していきます。

「お米をお釜に3合入れる」「お米を洗う」「炊飯器をセットする」「冷蔵庫からニンジンを出す」「ニンジンを洗う」「ニンジンの皮を剥く」「ニンジンを切る」

このように、カレーライス1つとっても、調理過程を細かくする必要があります。

料理で例えてみましたが、仕事も同じ要領です。細かく指示を出すことで、意外と上手く動いてくれるものです。

そんなのめんどくさくて、毎回やっていられないよという意見もあるかもしれません。

しかし、同じパターンを繰り返しているうちに、言われなくてもできてくることもあると思います。

失敗に対して、怒鳴り散らして、職場の雰囲気が悪くなるくらいなら、手間でもお互いに気持ちよく過ごせるほうがよいのではないでしょうか?

拒絶より共存

発達障害の人を拒絶はしないほうがいいです。これは、まわりまわって、自分の身に何かが降りかかるかもしれないからです。

あなたは、「ケーキの切れない非行少年たち」を読んだことがありますか?

¥792 (2022/05/12 20:31時点 | Yahooショッピング調べ)

少年院にいる多くの子が発達障害を抱えているという内容です。

もちろん、勘違いしないでほしいのは、発達障害の人が必ずしも犯罪者になるわけではありません。

しかし、社会から変人扱いされて、はじき出された人間は、行き場を失います。

そして、犯罪に手を染めてしまうパターンもあるのです。あるいは、病気になってしまう可能性もあります。どちらにしても不幸です。

あなたが拒絶した結果、犯罪が起こってしまう。そういう可能性もあるという話です。

みんながみんな仲良くというのは無理があるかもしれません。

しかし、お互いに歩み寄る努力はしてみたほうがいいのではないかと思います。

嫌っていた人間が、意外と良い人間だった。そんな経験は、誰にでもあるのではないかと思います。

発達障害の方と、うまい事共存できる道を模索してみるのも良いのではないでしょうか?

コメント