近年、晩婚化が進んでいる影響もあってか、不妊に悩まれている方が多くいらっしゃると思います。
あらゆる方法を試されているとは思いますが、男性女性ともに、睡眠はしっかりとられていますか?
睡眠は妊娠にも大きく関わっています。今回は、その理由を書いていきます。
睡眠不足と仕事の影響で妊娠しづらくなる
日常的に睡眠時間が6時間以下の人は、卵胞刺激ホルモンの量が20%減少するという研究結果があります。卵胞刺激ホルモンは、排卵に欠かせないホルモンであり、受精にも影響を与えます。
過去40年にわたり、10万人以上の働く女性を対象にした調査結果を統合した研究があります。その調査によると、夜勤のある仕事や、不規則な仕事や、夜遅くまで働く仕事をしていると、生理不順が33%高くなります。
また、働く時間が不規則な女性は、妊娠で苦労する確率が80%高くなるという研究もあります。
妊活で悩んでみえる方は、まずは仕事を見直した方がよいかもしれません。健康を害する働き方は、赤ちゃんにとってもよくないからです。
まずは、働き方に配慮してくれる職場なら良いのですが、なかなか難しい部分もあると思います。思い切って、転職してしまうというのも良いかもしれません。
妊娠できない原因は男性側の可能性もある
男性の睡眠について、シカゴ大学の研究チームが行った実験があります。20代半ばのスリムで健康な男性を集め、5時間睡眠を1週間続けたところ、テストステロンホルモンが大幅に減少していました。
そして、精子の量も29%少なくなっていました。また、精子の質も悪くなる上に、寝不足の男性は睾丸が小さくなるという結果がでました。
子供ができないと、女性側のほうに問題があるのでは?と思う男性もいるかもしれません。しかし、実は男性側に問題がある可能性もあります。睡眠不足が続いているのであれば、奥さんと一緒にしっかり睡眠時間をとることを、お勧めします。
適切な睡眠時間と寝るための工夫
どれくらい睡眠時間をとると良いのでしょうか?
いろいろ意見はあると思いますが、私は、大人の睡眠時間は7~8時間必要だと考えています。その理由は、本ブログの「大人の必要な睡眠時間が7~8時間と言われる理由」で書いています。
普段から6時間前後の睡眠で済ませていた方が、いきなり7~8時間の睡眠なんてとれない!と言われるかもしれません。本ブログでは、いかにして寝るかを追求しています。ご自身に合いそうな睡眠方法がないか、よければ探してみて下さい。「睡眠の検証」
仕事が忙しくて寝る暇がないという方もみえると思います。そんな方は、仕事の仕方や集中力を磨く必要があるかもしれません。
仕事を早く終わる工夫を知りたい方は、「定時で帰るための高速仕事術」をご覧ください。
仕事で集中力を磨きたい方は「仕事を早く終わらせるための集中力」をご覧ください。
どちらを実践しても、今までよりも早く仕事を終わらせることができると思います。
眠りの質も大切
寝る時間だけ確保しても、「睡眠の質」が悪いと効果が得られにくいかもしれません。
睡眠の質は、入眠後、最初の90分で決まります。
最初の90分を良くするためには、寝る前の行動が大切になってきます。
ポイントは3つです。
・ブルーライト(テレビ、スマホ、パソコン)を寝る1時間半前から見ないこと
・交感神経を優位にしない(激しい運動をしない)
・食事は寝る3時間前までには終わらせる
睡眠の天敵ブルーライト
ブルーライトは、睡眠関連物質のメラトニンの分泌を抑制します。メラトニンは一度、抑制されてしまうと、なかなか戻りません。そのため、寝る前のブルーライトは睡眠の質を下げる大きな要因になります。できれば、寝る前(1時間半~2時間前まで)に見るのはやめたほうが良いです。
私が実験した中でも、強く感じます。どんな方法を試しても、寝る前の電子機器は睡眠の質を低下させます。「睡眠の検証」
そうはいっても、テレビやスマホが触れないと暇!という方もいると思います。
そんな方は、寝る前は、家族との会話を楽しんだりするのはいかがでしょうか?家族の絆が深まる上に、睡眠の質も上がるので、一石二鳥だと思います。
自律神経の乱れは睡眠の乱れ
長期間不規則な生活(仕事)をしていると、自律神経は乱れてきます。自律神経について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。「自律神経のバランスを整えるだけで体調不良が減る」
睡眠時は副交感神経が優位になります。この副交感神経は、年齢とともに減っていきます。なるべく若いうちから、副交感神経を大切にしておくことをお勧めします。
副交感神経を優位にするためには、寝る前の激しい運動などは避けた方が良いです。
また、腹式呼吸を取り入れると、副交感神経が優位になります。腹式呼吸のやり方は、下記の記事をご覧ください。「瞑想は睡眠に効果があるのか検証してみた結果 昼間の眠気対策としても使える」
自律神経は、寝ている時も起きている時も常に働いている神経です。1日2日の意識では改善していくことは困難です。
自律神経の乱れを元に戻そうと思うと、かなり長期的な目線が必要です。私自身、様々な体調管理を行って戻しましたが、健康状態になったぞと言えるようになるまで、1年近くかかりました。
妊活と並行しながら、自律神経の乱れを正していくことをお勧めします。
食事は肥満のもとにもなる
寝る3時間以内の食事も睡眠の質を低下させる原因になります。
特に糖質(炭水化物)の摂取は抑えめにしたほうが良いです。体内でエネルギーに変換されるため、そのままエネルギーを使わずに寝ると、行き場を失ったエネルギーが、脂肪として蓄積されます。つまり、肥満の元になります。
どうしても食べたい時は、ナッツ類などをお勧めします。少量で、満腹感を得られる上に、肥満になりにくいと言われています。
仕事で、食事が遅くなるという方もいると思います。仕事の合間に、「ちょっと食べ」ができそうな人は、そのほうが良いかもしれません。
もし、どうしても難しければ、糖質控えめで、消化しやすいものを選ぶと良いと思います。
まとめ
不妊の原因は、男性側・女性側のどちらにも問題がある可能性があります。
生殖機能的に問題がないのであれば、生活習慣の乱れからくる可能性があります。
まずは、しっかりとした睡眠がとれているかどうかを確認しましょう。
良い睡眠を心がければ、自然と生活習慣が改善されてくるはずです。
夫婦共に体調を万全に整えて、妊活に臨み、念願の子供さんを授かることができることを、心から願っています。
妊活において、睡眠の大切さを、もっと知りたいという方は、下記の本をお勧めします。
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