部下はバランスよく育てた方が良い理由

あなたの職場の部下は、優秀ですか?

優秀な部下が多ければ多いほど、仕事の成果も上がり、自分の中間管理職としての立ち位置も盤石なものとなりますよね。

しかし、「うちの部下は、みんな優秀だ!」と言える人も少ないのではないでしょうか?

むしろ、「もっと、頑張ってくれれば・・・」と、頭を抱えて悩まれている人も多いのではないでしょうか?

思うように働いてもらえず、ストレスを溜める中間管理職の方も多いと思います。

また、優秀な部下というのは、いつまでも自分の元にいてくれるわけではありません。

今回は、「部下はバランスよく育てた方が良い理由」について書いていきます。

部下の種類

部下は大きく分けると、「優秀な部下」「普通の部下」「使えない部下」の3種類に分けることができます。

「優秀な部下」は、何も指導しなくても、想定以上の成果を上げる部下です。社内でも一部の部下です。

「普通の部下」は、決まった仕事は黙々とこなしてくれる部下です。多くの社員は、この層です。

「使えない部下」は、何をやらせてもダメな部下です。仕事ができないだけならいいのですが、下手をすると会社にダメージを与えます。

中間管理職として、マネジメントが必要なのは、「普通の部下」と「使えない部下」です。

もし、中間管理職として就任し、特に何もしていないのに、成果を出す部下がいたら、それは「優秀な部下」です。

優秀な部下頼みは危険

中間管理職として、何もしていないのに、勝手に成果を上げてくれる部下は、本当にありがたいですよね。

しかし、そんな「優秀な部下」頼みは、とても危険です。

「優秀な部下」は、上層部も目をつけやすいのです。黙っていても、他の部署に「あの人、優秀らしいよ」と、噂はどんどん広がっていきます。

結果として、他の部署に引き抜かれたり、昇進して、自分と同じか、それ以上のポストについてしまう可能性があります。

また、「優秀な人」ほど、他の会社にヘッドハンティングされる可能性も高いです。

そうなると、どうなると思いますか?優秀な部下の穴埋めで、人員が入ってきますよね。

その穴埋めの人が「優秀な部下」である可能性はありません。

つまり、仕事の成果(業績)が下がり、あなたの中間管理職としての評価も下がる可能性があるのです。

上層部からすると、あなた自身の中間管理職としての能力に、疑問を持たれてしまう可能性が十分にあるということです。

間違っても、「優秀な部下」に頼るのはやめましょう。

使えそうな普通の部下を育てるのは危険

中間管理職として、マネジメントが必要なのは、「普通の部下」と「使えない部下」です。

そこで、中間管理職として、陥りがちなのが、普通の部下の中でも「使えそうな部下」を指導することです。

使えそうな普通の部下を育てるのは危険です。

仕事への意欲も高く、アドバイスも聞いてくれる素直な部下。向上心が高ければ、仕事の成果も出してくれるはずです。

「優秀な部下」とは違い、成長スピードは遅いかもしれませんが、長い時間をかけてじっくりと成長はしてくれます。

いわゆる、「手塩にかけた部下」です。

3~5年近く、自分の元で、ゆっくり成長してくれた部下。もちろん、上司である自分への信頼感も高くなるでしょう。

しかし、会社の歯車の1つにすぎません。育てば、他の部署への異動の話も出てきます。

いつまでも、自分の手元にはおいておけないのです。

せっかく、長年かけて育てたのに、辞令の1つで、簡単に他の部署に行ってしまうのです。

そうなれば、また、1から、「使えそうな部下」を育てることになってしまいます。

だから、1人の使えそうな部下を育てるのは危険と言えます。

全員が成果を出せる環境を作ることが大切

1部の社員に依存することは、危険なことは分かって頂けたと思います。

では、どうしたら良いかと言われたら、「全員が成果を出せる環境を作ることが大切」です。

つまり、部下はバランスよく育てなければいけないということです。

工場の生産ラインをイメージして下さい。長いラインの中でも、1人1人が担当しているのは一部ですよね。

その一部の1人がさぼると、全体に影響してしまいます。つまり、さぼりたくてもさぼれないのです。

「嫌でも働かなければいけない」環境を作り出すのが、中間管理職としての仕事です。

うちは、工場じゃない!という方も多いと思います。

もちろん、少人数の職場は困難です。しかし、ある程度、社員の多いところであれば、仕組み作りは工夫できるはずです。

1つの仕事を分解してみましょう。そして、その分解した仕事を、いろんな社員に割り振るのです。

1人がさぼると、皆が迷惑する仕組みを作ってしまうのです。

こうすることで、全員がしっかりと働き、最低限の成果を出すことができます。

これで、誰かが異動したり、退職してしまっても、安定した成果を出し続けることができます。

さらに、仕組み作りを向上させていくことで、より成果が上がっていくことになります。

これが、中間管理職としてのマネジメントの力ということになるのです。

最後に

優秀な中間管理職は、「手塩にかけた部下」を作りません。

部下は、バランスよく育てた方が良いということを分かっているのです。

全体として、会社の業績を上げる工夫をします。

誰が異動、入職してきても、しっかりと成果を出せるような、仕事の仕組み作りを工夫してみましょう。

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